おならの回数が増えてしまう原因は様々ありますが、その中でも『呑気症(どんきしょう)』はよく知られている原因の一つとなります。呑気症とは、空気を無意識に飲み込み過ぎてしまう症状があります。呑気症がどのようにおならの回数に影響を与えていくのかについて詳しく解説させていただきます。
呑気症とは?
呑気症(どんきしょう)は、食事の際に食べ物や飲み物と一緒に多くの空気を吸い込んでしまう状態をいいます。また、何も食べていない時であっても呑気症であれば空気を飲み込んでしまうことがあります。呑気症は以下のような状況で発症しやすくなります。
早食い
食事を急いで食べる癖のある方は要注意です。早食いの方の場合は通常よりも多くの空気を食事中に飲み込んでしまいます。
炭酸飲料の摂取
炭酸飲料には二酸化炭素が含まれており、炭酸飲料を好んで飲んでいると多くの空気を飲み込んでいることになります。
ガムや飴を頻繁に噛む
ガムや飴を食べているときも、空気を飲み込む原因となってしまう場合があります。
ストレスや緊張
ストレスを感じていると無意識に空気を飲み込んでしまっていることがあります。
呑気症でおならの回数が
増える理由とは?
呑気症によって飲み込まれた空気は、消化管を通じて腸に運ばれます。通常、身体の中に取り込まれた空気はゲップとして排出されますが、呑気症のように大量に空気を飲み込んでいると、腸まで空気が運ばれてしまいそこでガスとして蓄積されます。これが結果的におならの回数が増えてしまう原因です。
呑気症によるおならの回数増加を
防ぐための対策について
呑気症を管理し、呑気症によるおならの回数を減らすためには以下のような取り組みを意識してください。
食事の仕方を見直す
ゆっくり食べる
食事は時間をかけてゆっくり食べるようにしてください。急いで食べると空気も一緒に飲み込みやすくなってしまいます。食事のスピードには注意をしてください。
よく噛む
食べ物をしっかりと噛んでから飲み込むことで、食べ物の消化を助けると同時に、空気を飲み込む量を減らしてくれます。よく噛んでから飲み込むようにしてください。
食事中は極力話さないようにする
食事中にお話をしていると空気を飲み込みやすくなります。食事の際は極力、口を閉じて静かに食事をすることを心掛けましょう。
炭酸飲料の摂取量を減らす
炭酸飲料は極力控える
炭酸飲料は多くの気泡を含むため、飲み過ぎには注意してください。炭酸飲料を飲むことで大量の空気も一緒に飲み込むことになります。炭酸飲料を極力控えることで、呑気症の症状を軽減することができます。
水やお茶に切り替える
炭酸飲料では呑気症のリスクが高まりますので、水分補給の際は水やお茶などを摂取することをお勧めします。
ストレス管理
ストレスや緊張を感じると飲み込む空気の量が増えてしまいます。ストレスや緊張を感じないようにリラックスできる工夫をしてください。例えば、趣味の時間を日常生活中に取り入れたり、ヨガ、瞑想、深呼吸、軽い運動なども効果があります。
食後の行動に気をつける
食後はすぐに横にならない
食後すぐに横になってしまうと、胃に溜まった空気が腸に移動しやすくなります。食後は軽く歩いたり、座ったりするようにしてください。
軽い運動
食後に軽い運動をすることで、腸の蠕動運動が促進されます。そのためガスの排出がスムーズになりますので、ウォーキングなどするように心掛けてください。
定期的な受診
呑気症の症状が改善しない場合、医師に相談することは大切です。必要に応じて、消化器内科を標榜しているクリニックで受診するようにしてください。
最後に
おならの回数が増えても日常生活で不便を感じることがないかもしれませんが、呑気症であったり、大腸がんや潰瘍性大腸炎などの病気が原因でおならの回数が増えているのかもしれません。『ただのおなら』と軽視をするのではなく、慢性的に続く場合は必ずお近くの消化器内科クリニックを受診するようにしてください。
当院では消化器内視鏡指導医の資格を持っている院長が、消化器専門外来を行っています。消化器内視鏡指導は日本でも数少ない消化器領域のプロフェッショナルです。
何となくおならの回数が増えたと思っている方はお気軽にお問い合わせ下さい。