初めての大腸カメラ検査

初めて大腸カメラ検査を
受けられる方へ

大腸カメラ検査と聞くと「痛い」「苦しい」などのようなネガティブなイメージを持たれている方も多いかと思います。しかし近年では、大腸カメラ検査時でも鎮静剤を使用することが主流となり、大腸カメラ検査時の苦痛緩和に繋がっています。また、内視鏡医の手技が向上していることもあり、昔と比べても快適に大腸カメラ検査を受けていただける環境が整っています。

名古屋市が行っている大腸がん検診(便潜血検査)で『要検査』と指摘された方、お腹が痛い、お腹が張っている、血便が出た、下痢や便秘で困っている方はお気軽にご相談してください。先ずは消化器専門外来で診察し、必要に応じて大腸カメラ検査を受けていただくことを推奨します。

大腸がんについて

大腸がんの患者数、死亡者数は年々増加傾向にあり、男女ともに大腸がんは上位にあります。

部位別がん 死亡者数 1位 2位 3位 4位 5位
男性 大腸 膵臓 肝臓
女性 大腸 膵臓 乳房
男女合計 大腸 膵臓 肝臓

※参照元:国立がん研究センター(2021年度の情報)


大腸がんの患者数が増えている背景としては、食生活が欧米化していたり運動不足、遺伝などの様々な要因が関わっていると言われています。

大腸がんは病状がある程度進行していかないと『お腹が痛い』『血便がでた』などの自覚症状を感じることはありません。そのため、自覚症状を感じた頃には既に病状が進行し、クリニックでの治療が難しく総合病院で手術を受けていただく必要も出てきてしまいます。

大腸がんは若い世代層でも発症することがありますが、基本的には40歳を過ぎたころから罹患リスクが高まっていくと言われています。40歳を過ぎた方でまだ大腸カメラ検査を受けたことがない方は、一度は大腸カメラ検査を受けていただくことを推奨します。

大腸カメラ検査を受ける意義

大腸がんの多くは、大腸ポリープ(腺腫)が成長していく過程で悪性化し、大腸がんとなります。そのため大腸がんの予防は、大腸ポリープを早期発見し、ポリープを早期切除することになります。そしてその大腸ポリープの早期発見・ポリープ切除には大腸カメラ検査が有効になります。

実際にアメリカでは大腸カメラ検査の受診率を高め、大腸ポリープの早期発見・早期切除を実施することで大腸がんの罹患者数や死亡率低下が実現されました。

大腸カメラ検査は「大変そう」「苦しそう」といったネガティブなイメージを持たれる方も多くいらっしゃいますが、当院では大腸カメラ検査を受けられる皆様が快適に受けていただけるように様々な工夫を行っています。大腸カメラ検査を受診することのハードルを下げ、検査を受けるべき方に大腸カメラ検査をしっかり受けていただくことで、最終的には大腸がんで苦しい思いをする方をゼロに近づけることができると考えています。

 

当院の大腸カメラ検査の特徴

大腸カメラ検査を敬遠する要因としては、「大腸カメラ検査中に感じる痛み」や「下剤を飲むこと」などがあります。そこで当院では、大腸カメラ検査を受ける皆様が安心していただけるために、様々な配慮や工夫を行っています。

消化器内視鏡指導医による
大腸カメラ検査

大腸カメラ検査は検査を担当する医師の技量によって検査時の苦痛の度合いが変わってきます。当院では、日本消化器内視鏡学会が認定する内視鏡専門医・指導医である院長が、大腸カメラ検査の全てを担当しています。

消化器内視鏡指導医は日本国内でも数少ない内視鏡検査のプロフェッショナルです。国内外で内視鏡の診断・治療実績も豊富です。

鎮静剤を使用して眠った状態で受けられる大腸カメラ検査

大腸カメラ検査時に鎮静剤を使用しているクリニックは増加傾向ですが、当院でも鎮静剤を使用し、検査時の苦痛を抑えた大腸カメラ検査を皆様に提供しています。また、当院では検査後にゆったりとお休みできるリカバリースペースの完備、検査室・リカバリースペースのモニター管理など鎮静剤を安全に使用できる環境を整えています。

鎮静剤を使用することのメリット

眠った状態で受けられる大腸カメラ検査

眠った状態で大腸カメラ検査を行うため、以前の検査がつらかった方や初めての検査で不安が強い方でも安心して検査を受けることができます。一度鎮静剤を使用して検査を受けられた方は、その次の検査でも鎮静剤を希望される方が圧倒的に多いです。

また鎮静剤を使用する際はその日の患者さんの体調や体重、アレルギー歴、性別などを考慮して鎮静剤の使用量を決めています。

病変組織の見落とし防止

リラックスした状態で検査を受けていただくことでお腹に力が入らない状態となります。その状態で検査を受けていただくことで、内視鏡スコープの挿入が楽になるだけではなく、検査時の観察精度も高まります。

鎮静剤を使用することの
デメリット

検査後に目が覚めるまでに時間が掛かる

大腸カメラ検査時に鎮静剤を使用された場合は、鎮静剤の効果が切れるまで院内のリカバリースペースで休憩していただきます。鎮静剤の効果が切れるまでには個人差がありますが、おおよそ30~60分程度は時間をみてください。
※鎮静剤を使用する場合は車やバイク、自転車等でのご来院はご遠慮ください

当院では上記の特徴以外でも様々な工夫を行っています。詳しくは当院の大腸カメラ検査ページも是非ご覧ください。

大腸カメラ検査の流れ

大腸カメラ検査の事前診察

大腸カメラ検査を受ける方は事前診察を受けていただく必要があります。事前診察の際に普段から飲まれているお薬、既往歴、家族歴などを確認させていただきます。普段飲まれているお薬の中には休薬していただくものもありますので、事前診察の際はお薬手帳もご持参するようにしてください。

検査前日

大腸カメラ検査の前日は事前診察の際に購入していただいた検査食を20時までにお召し上がりください。また、検査の前日はお水は多く飲むようにしてください。

就寝前には事前診察の際にお渡しした下剤(センノシド)を飲んでください。

検査当日の朝

大腸カメラ検査当日の朝食は摂取しないでください。水やお茶などの色のついていない飲み物は飲んでいただいて構いません。

ご自宅で下剤を飲まれる場合は、事前診察の際にスタッフから指定された時間になりましたら下剤を飲み始めてください。下剤を飲み始めると排便がはじまります。便にカスが混じっていないくらい透明で透き通るようになったら下剤服用は終了となります。

下剤の飲み方

当院が取り扱っている下剤は下記の3種類となります。

下剤の種類 飲み方
サルプレップ
  1. サルプレップをコップに注ぎ、10分程度かけて飲みます
  2. コップ1杯飲んだら、お水もコップ2杯分飲みます(これを1セット)
  3. 便が透明になるまで下剤を繰り返し飲み続ける

モビプレップ
  1. パックから袋を取り出し、「★」の目盛りまで水を注ぎます
  2. 上から垂直に袋を押してAとBの壁が開通させます
  3. 貫通したのを確認して、良く振り混ぜます
  4. 2Lの目盛りまで水を追加し、全体が混ざるよう振り混ぜます
  5. 下剤をコップに注ぎ、15分程度かけてコップ2杯飲んだら、お水を1杯飲みます(これを1セット)
  6. 便が綺麗になるまで飲み続けます
ニフレック
  1. パックから袋を取り出し、「1L」の目盛りまで水を注ぎます
  2. 粉末がしっかりと溶けるまで振り混ぜます
  3. 「2L」の目盛りまで水を注ぎ、全体が混ざるよう振り混ぜます
  4. 下剤をコップに注ぎ、コップ1杯を10分程度かけて飲みます
  5. 便が綺麗になるまで飲み続けます
 

下剤服用時の注意点

下剤を飲んでいる途中で以下のような症状が生じた際には、お早めに当院までお問い合わせしてください。

  • 気分が悪くなった
  • お腹が痛くなった
  • 吐き気がする
  • 息苦しい
  • 気分が悪くなり吐いてしまった
  • 蕁麻疹がでた
  • めまいがする

来院後

大腸カメラ検査の20分前までにお越し下さい。大腸カメラ検査時では鎮静剤を使用する場合は、車やバイク、自転車でのご来院はご遠慮ください。

検査準備

受付が終わりましたら大腸カメラ検査の準備を行います。検査着に着替えてから、鎮静剤を投与するための点滴の準備などを行います。

検査時

  1. 肛門に潤滑剤を塗ってから内視鏡スコープを挿入します
  2. 大腸カメラ検査にかかる所要時間は20分程度です
  3. 大腸カメラ検査が終わりましたらリカバリースペースにストレッチャーのまま移動します
  4. 鎮静剤の効果が切れるまでリカバリースペースでゆっくり休んでいただきます

大腸カメラ検査中に切除の必要性がある大腸ポリープが見つかった場合には、その場で切除します。(切除の際に痛みを感じることはありません。)また、検査時に使用する鎮静剤の量や患者さんの体質によって安静時間が異なります。

大腸カメラ検査の注意点

  • 内視鏡スコープと大腸粘膜が擦れることで粘膜損傷や穿孔(消化管に穴が開く)が生じることがごく稀にあります
  • 病変が疑われる部位を見つけた場合は、より詳しく調べるために病変組織を採取します。組織を採取した際にわずかに出血しますが、自然に止血される程度の出血ですのでご安心ください。
  • 大腸ポリープが大きい場合や切除が難しいと判断した場合は地域の総合病院へ紹介することがあります
 

大腸ポリープ切除後の注意点

大腸ポリープを切除した場合は、数日〜1週間程度は出血のリスクが伴います。排便時はすぐに流さないで便の色(血の混入)を確認するように心がけてください。お尻を拭いたトイレットペーパーに血がつく程度であればそこまで問題はありませんが、便器内が真っ赤になるくらい出血が生じている場合は早急にご連絡ください。

また、出血リスクが高まるような下記のような項目は数日〜1週間程度は控えるようにしてください。(病変の大きさや処置の内容によっても異なります。)

  • 飲酒
  • 喫煙
  • 刺激物(香辛料を多く含む食べ物など)の摂取
  • 長時間の入浴
  • 激しい運動(ジョギングなど)

検査後

大腸カメラ検査後は鎮静剤の効果が切れるまで休憩していただきます。目が覚めてから本日の検査結果を説明します。また、大腸ポリープを切除した場合は病理組織の結果が分かるまでに10日前後かかります。大腸ポリープを切除した場合はご帰宅時に10日〜2週間後の外来診察の予約を取ってから帰るようにしてください。

大腸カメラ検査の費用

当院の大腸カメラ検査の費用は以下の表をご参照ください。

1割負担 3割負担
下剤、検査食 約1,400円 約1,700円

大腸カメラ検査
(観察のみ)

約2,500円 約7,500円
大腸ポリープ切除 約8,000~10,000円 約24,000~30,000円

※上記の表に書かれている費用は目安の金額で、実際の費用と異なる事があります
※初診料・再診料は別となります
※ご加入になっている生命保険や医療保険によっては、大腸ポリープ切除に保険金が降りる場合があります。詳細はご加入の保険会社などにお問い合わせください

よくある質問

大腸カメラ検査前の「下剤」は、どのように服用する?つらくない飲み方はありますか?

大腸カメラ検査では、腸の中をきれいにするために下剤(腸管洗浄剤)を服用します。これは、正確で安全な検査を行うために欠かせない準備です。

一般的な服用方法
  • 検査前日は消化の良い食事に制限
  • 検査当日の朝から、決められた量の下剤を数回に分けて服用
  • 便が透明〜薄い黄色になったら準備完了です
つらさを軽くする工夫
  • 冷やして飲むと味が感じにくくなる
  • ストローを使い、喉の奥に流し込むように飲む
  • 一気飲みせず、少しずつ間隔をあけて服用
  • 飲みにくい場合は、味や量の異なる下剤を選択することも可能です

また、

  • 院内で下剤を服用できる
  • 体調や既往歴に合わせて服用方法を調整する

といった対応も行っています。
下剤がつらいと、検査自体が不安になりがちです。不安や苦手意識がある方は、事前に相談していただくことで、できるだけ負担の少ない方法を一緒に考えます。「下剤が心配」という気持ち、遠慮なくお伝えください。

鎮静を希望したい場合、どうやって選べば安心ですか?副作用はありますか?

大腸カメラ検査の鎮静は、**「不安や苦痛を軽くするための選択肢」**です。希望する場合は、事前に不安や過去の検査経験を伝えることが一番のポイントです。

鎮静を検討したほうがよい方
  • 初めての検査で不安が強い
  • 痛みや違和感が怖い
  • 過去に大腸カメラ検査でつらい経験がある
  • リラックスして検査を受けたい

こうした方には、鎮静を使った検査が向いています。

鎮静の方法と安全性
  • 点滴から鎮静剤を投与し、うとうと眠ったような状態で検査を行います
  • 医師・スタッフが血圧や呼吸を常に監視しながら実施します
  • 使用量は体格や年齢、体調に合わせて調整します
考えられる副作用
  • 検査後の眠気・ふらつき
  • 一時的な血圧低下や吐き気

これらは多くの場合、短時間で自然に回復します。重い副作用は非常にまれです。

鎮静を選ぶ際の注意点
  • 当日の運転は禁止
  • 検査後は安静が必要

鎮静を使うかどうかに「正解」はありません。安心して受けられる方法を一緒に選ぶことが大切です。
不安があれば、遠慮なくご相談ください。納得したうえで検査を受けていただくことを、何より大切にしています。

検査中にポリープが見つかったらどうなりますか?痛みはありますか?

大腸カメラ検査中にポリープが見つかった場合、多くはその場で切除することが可能です。これは、将来の大腸がんを予防するためにとても重要な処置です。

ポリープ切除の流れ
  • 内視鏡の先端から専用の器具(スネアなど)を使用
  • ポリープを根元から切除
  • 切除した組織は病理検査へ提出
痛みについて
  • 大腸の粘膜には痛みを感じる神経がほとんどありません
  • 鎮静剤を使用している場合は、処置中の痛みを感じない方がほとんどです
  • 鎮静を使用していなくても、強い痛みを感じることはまれです
切除できない場合もあります
  • ポリープが大きい
  • 出血リスクが高い
  • 準備状況や体調による判断

この場合は、安全を優先し、後日あらためて治療を計画します。

処置後の注意点や生活上の制限については、検査後に必ず詳しく説明しますのでご安心ください。

大腸カメラ検査はどれくらいの頻度で受けるべきですか?年齢やリスクによって違いますか?

はい、大腸カメラ検査の頻度は、年齢やこれまでの検査結果、リスクによって異なります

一般的な目安
  • 40歳以上
    自覚症状がなくても、一度は大腸カメラ検査を受けることが推奨されます。
  • 異常がなかった場合
    医師の判断にもよりますが、3年程度ごとの検査が目安です。
リスクが高い方
  • 過去に大腸ポリープを切除したことがある
  • 家族に大腸がんの既往がある
  • 血便、便秘・下痢、貧血などの症状がある

このような場合は、1〜2年ごとの定期検査がすすめられることがあります。

便潜血検査で異常が出た場合
  • 年齢に関係なく、大腸カメラ検査が必要です

大腸がんやポリープは、症状が出る前に見つけることが重要です。検査のタイミングに迷ったら、年齢や生活背景をふまえて個別に相談することが一番安心です。

大腸カメラ検査後にお腹の張りや違和感が残ることはありますか?対処法は?

はい、検査後に一時的なお腹の張りや違和感を感じることはあります。これは、検査中に腸を広げて観察するため、空気や炭酸ガスを入れることが原因です。

よくある症状
  • お腹が張った感じ
  • ガスがたまりやすい
  • 軽い腹部の違和感

これらは多くの場合、時間とともに自然に改善します。

楽にするための対処法
  • 無理をせず、しばらく安静に過ごす
  • ガスが出るのを我慢せず、自然に出す
  • 軽く歩くことで腸の動きを促す
  • お腹を冷やさず、体を温かく保つ
注意が必要な症状
  • 強い腹痛が続く
  • 出血が増える
  • 発熱や吐き気を伴う

このような場合は、早めに医療機関へ連絡してください。
ほとんどの方は、「気づいたら治っていた」という程度で、当日〜翌日には普段通りの生活に戻れます。検査後の不安も、遠慮なくご相談ください。

この記事の執筆者

略歴

2003年昭和大学病院 第2内科
2010年国立がん研究センター東病院
2012年昭和大学病院 消化器内科 助教
2014年新百合ケ丘総合病院 消化器内科 医長
2015年NTT東日本関東病院 消化器内科
2021年NTT東日本関東病院 消化管内科 医長
2023年名古屋むらもと内視鏡クリニック 栄院開院

資格

  • 医学博士
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医・支部評議員
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医・支部評議員
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医・指導医・代議員
  • H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • FJGES (Fellow of Japan Gastroenterological Endoscopy Society)
  • Digestive Endoscopy reviewer
  • Journal of Gastroenterology and Hepatology reviewer
  • Junior Endoscopist Training Seminar(JETS) advisor
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