男性・女性、子供でみられる血便の原因とは?

血便が生じる原因とは?

血便とは、便に血が混じっている状態のことをいいます。便が黒かったり便が赤っぽくなっていると、目視で血液の混入がわかるものもあれば、肉眼では血液の混入が分からないものまであります。本来であれば、便に血が混じることはありませんので、便に血が混じっているということは消化管(胃・十二指腸、大腸)や直腸、肛門などで出血が生じているサインです。

消化管から出血が生じる原因としては様々ありますが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどがあります。便に血が混じっている場合はお腹で異常が生じている可能性が高いため、お早めにご相談をしてください。

男性・女性の血便の原因とは?

男性と女性によって血便が生じる原因に差はなく、上述したような胃潰瘍や大腸がん、潰瘍性大腸炎などの病気が原因となって出血が生じています。ただ女性の場合は、妊娠中や産後に血流が悪くなることが指摘されており、その結果として痔が生じやすくなる場合があります。

妊娠中は子供の成長にどうしても気がいきがちではありますが、お腹が大きくなるにつれて腰やお尻の辺りを流れている血流は阻害され、悪化してしまう場合があります。妊娠中は母体にも大きな負担がかかっています。妊娠中の方で血便が出たり、お尻の辺りに痛みや違和感を感じた場合は、早めに消化器を専門としている医師に相談するようにしてください。

子供の血便の原因

血便は大人だけが生じるものではありません。心配になってしまうのが子供の血便です。痔は大人にできる病気と思っている方も多くいらっしゃいますが、実は子供でも痔が発症するケースはございます。痔以外ではカンピロバクターなどの細菌に感染することで血便が生じることもあります。

子供でも痔を発症することはありますので、血便が発症したり、お尻の辺りに痛みや違和感を感じた場合は、お早めにご相談してください。

血便は早急に消化器専門外来まで

男性や女性、大人と子供で血便が生じる原因はそこまでは変わりません。どういったケースであれ、血便が生じた際によくあるのが『痔』が関わっていることです。痔に関しては男性でも、女性でも、子供でも関係なく発症します。少しでもお尻に違和感を感じる場合はお早めにご相談していただければと思います。

血便を引き起こす病気は痔以外でも大腸がんや潰瘍性大腸炎など、様々な病気があります。そのため、血便が生じている場合はただの痔と軽視するのではなく、必ず消化器の専門医に相談するようにしてください。当院では消化器領域の専門医が消化器専門外来を実施し、血便や痔の診察、検査そして治療まで行っています。WEB上からでも簡単に診察のご予約が取れる体制を整えていますので、お困りの方はお早めにご相談ください。

よくある質問

男性に多い血便の原因には、どのようなものがありますか?

男性にみられる血便の原因として多いのは、大腸の病気や肛門の病気です。
代表的なものには、

  • 大腸ポリープ・大腸がん
    初期は症状が少なく、血便が最初のサインになることがあります
  • 痔(いぼ痔・切れ痔)
    排便時に鮮やかな赤い血が出ることが多いです
  • 大腸憩室出血
    中高年の男性に多く、突然まとまった量の血便が出ることがあります
  • 感染性腸炎・虚血性腸炎
    腹痛や下痢を伴うことがあります

特に男性は、自覚症状が少ないまま大腸ポリープやがんが進行するケースもあり、「痔だと思って放置していた」という方も少なくありません。
血便が一度でも見られた場合や、

  • 量が多い
  • 繰り返し出る
  • 40歳以上で初めて血便が出た

といった場合は、自己判断せずに大腸カメラ検査を検討することが大切です。

女性に多い血便の原因には、どのようなものがありますか?

女性にみられる血便の原因として多いのは、肛門の病気や腸の炎症性疾患です。
代表的なものには、

  • 痔(いぼ痔・切れ痔)
    便秘になりやすい方に多く、排便時に鮮やかな赤い血が出ることがあります
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患
    血便に加えて、下痢や腹痛を繰り返すことがあります
  • 感染性腸炎
    発熱や腹痛、下痢を伴うことがあります
  • 大腸ポリープ・大腸がん
    女性でも年齢とともに増え、血便がきっかけで見つかることがあります

女性の場合、

  • 便秘
  • ホルモンバランスの変化
  • 出産後の肛門トラブル

などが背景にあり、「痔だと思って様子を見ていた」というケースも少なくありません。
ただし、痔と自己判断していた血便の中に、重大な病気が隠れていることもあります。血便が続く場合や、腹痛・下痢・体重減少などの症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

子供に多い血便の原因には、どのようなものがありますか?

子供にみられる血便の原因は、年齢によって異なるのが特徴です。多くは重い病気ではありませんが、注意が必要なケースもあります。
代表的な原因には、

  • 肛門裂傷(切れ痔)
    便秘が原因で、排便時に少量の鮮やかな血が付着することがあります
  • 感染性腸炎
    ウイルスや細菌による腸炎で、下痢・腹痛・発熱を伴うことがあります
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患
    血便に加えて、下痢や腹痛を繰り返すことがあります
  • アレルギー性腸炎(特に乳児)
    ミルクや食物アレルギーが原因で、便に血が混じることがあります
  • 若年性ポリープ
    幼児〜学童期にみられ、痛みを伴わずに血便が出ることがあります
  • まれですが、

  • 腸重積(突然の激しい腹痛・不機嫌・血便)など、早急な対応が必要な病気が隠れていることもあります。

血便に加えて、

  • 強い腹痛
  • 元気がない
  • 繰り返す嘔吐
  • 顔色が悪い

といった症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。保護者の方が「いつもと違う」と感じたときは、受診の目安になります。

血便の血の色や形で、原因はある程度わかりますか?

血便の色や混じり方から、ある程度原因を推測できることはありますが、見た目だけで正確に判断することはできません
目安としては、次のような違いがあります。

  • 鮮やかな赤い血が便の表面や紙につく
    痔(いぼ痔・切れ痔)など、肛門に近い部分からの出血が考えられます
  • 便に血が混ざっている、暗赤色の血便
    大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患など、大腸からの出血が疑われます
  • 黒っぽいタール状の便
    胃や十二指腸など、上部消化管からの出血の可能性があります
  • 粘液や下痢に血が混じる
    感染性腸炎や潰瘍性大腸炎などが考えられます

ただし、痔だと思っていた血便が大腸の病気だったというケースも少なくありません。血便が一度でも見られた場合や、繰り返す場合、腹痛・体重減少・貧血などを伴う場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
血便は体からの大切なサインです。「いつもと違う」と感じたら、自己判断せずにご相談ください。

血便があったときに、まず何をすべきでしょうか?

血便に気づいたときは、自己判断で様子を見る前に、いくつかのポイントを確認することが大切です。
まず、

  • 血の(鮮やかな赤か、暗い色か、黒っぽいか)
  • 血の(紙につく程度か、便器が赤くなるほどか)
  • 血の出方(便の表面・混ざっている・下痢に混じる)
  • 腹痛、下痢、発熱、めまいなどの他の症状の有無

を確認しておきましょう。これらの情報は、受診時の大切な手がかりになります。
そのうえで、

  • 血便が繰り返し出る
  • 量が多い、または急に出た
  • 腹痛や発熱、体重減少、貧血症状を伴う
  • 40歳以上で初めて血便が出た

といった場合は、早めに消化器内科を受診することをおすすめします
血便は、痔などの軽い原因から、大腸ポリープや大腸がんなどの病気まで、さまざまな原因で起こります。「少しだから大丈夫」と思わず、気になった時点で相談することが安心への近道です。

すぐに受診が必要な血便とは、どのようなものですか?

血便が見られた場合、次のような症状を伴うときは、できるだけ早く医療機関を受診してください

  • 便器が赤くなるほどの出血や、血の量が明らかに多い
  • **黒色便(タール状の便)**が出た
  • 血便とともに強い腹痛、発熱、嘔吐がある
  • ふらつき、動悸、息切れなど、貧血を疑う症状がある
  • 血便が短期間に何度も繰り返す
  • 40歳以上で初めて血便が出た
  • 痔の持病があっても、いつもと違う出血と感じる

これらは、大腸がん、大腸憩室出血、炎症性腸疾患、上部消化管出血など、早めの対応が必要な病気が隠れている可能性があります。
一方で、少量の血便で症状が落ち着いている場合でも、原因をはっきりさせることが大切です。「様子を見て大丈夫か迷う」場合は、早めに相談することで安心につながります


監修:名古屋むらもと内視鏡クリニック 栄院 
院長 村元喬

この記事の執筆者

略歴

2003年昭和大学病院 第2内科
2010年国立がん研究センター東病院
2012年昭和大学病院 消化器内科 助教
2014年新百合ケ丘総合病院 消化器内科 医長
2015年NTT東日本関東病院 消化器内科
2021年NTT東日本関東病院 消化管内科 医長
2023年名古屋むらもと内視鏡クリニック 栄院開院

資格

  • 医学博士
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医・支部評議員
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医・支部評議員
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医・指導医・代議員
  • H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • FJGES (Fellow of Japan Gastroenterological Endoscopy Society)
  • Digestive Endoscopy reviewer
  • Journal of Gastroenterology and Hepatology reviewer
  • Junior Endoscopist Training Seminar(JETS) advisor
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